従量課金制が多いAWSにおいて、独特な料金体系のサービスを見つけたので簡単に整理してみる。
紹介するサービスはElastic IPアドレス(EIP)。このサービスは利用している時間だけではなく、使ってない時間にも(※1)料金が発生する仕組みとなっている。
※1:詳細は後述。
Elastic IPとは?
EC2インスタンスなどに関連付ける(associate)ことにより、”固定の”IPアドレスとして使用できるもの。EC2 インスタンスの他にも、NAT ゲートウェイ、Network Load Balancer などの AWS リソースで使用することが可能。
EC2インスタンスは気軽に起動、停止させることが可能だが、インスタンスが持つ「パブリックIPアドレス」には毎回新たなIPが付与される仕組みになっているので、外部からアクセスする必要なインスタンスがある場合にはEIPを利用する。(そうしておかないと、毎回新たなIPを展開する必要が出てくる)
また、EIPのリマップ(関連付けのやり直し)も行うことが可能となっている。
EIPの料金体系
本題のEIP料金体系について。公式のEC2料金表における「Elastic IP アドレス」部分を整理してみる。
EIP未使用時の課金について
このパターンが”独特な”課金体系と感じる部分。
前述の「使っていない時間にも料金が発生する」に補足すると、「EIPを取得しているが、実行中のEC2インスタンスに紐付けを行っていない(使っていない)間」にも料金が発生する仕組みとなっている。
未使用EIPの料金は次の通り。
- 「$0.005/EIP/時間」の料金が発生
公式サイトの情報を見ると、下記条件を満たす場合はEIPに料金が発生しないと書かれている。従って、この条件を満たさない場合は課金対象ということとなる。
課金対象外となるための条件
- Elastic IP アドレスが EC2 インスタンスに関連付けられている。
- Elastic IP アドレスに関連付けられているインスタンスが実行中である。
- インスタンスに 1 つの Elastic IP アドレスしか添付されていない。(※2)
※2:私の理解では1つ目のEIPのみが無料、2つ目以降は有料となる。
使用時の課金について
次に、実行中のインスタンスに紐付けを行っているEIPに対する課金体系は次の通り。
- 1つ目のEIPのみ無料で利用可能
- 2つ目以降は「$0.005/EIP/時間」の料金が発生
リマップの課金条件
EIPの関連付けのやり直し(リマップ)に関する課金体系は次の通り。
- 1ヶ月に100回までは無償で可能
- 101回目以降は「$0.10/回」の料金が発生
まとめ
AWSは基本的に従量課金なので”使った分だけ”というイメージがあるが、EIPのように「使ってない」部分も課金対象となるような特殊パターンもあるので要注意、というお話。